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夫婦間の生前贈与(令和4年10月13日掲載)


公開日:2022-10-13

居住用不動産には特例控除

【問い】私は昨年63歳で退職しました。これを契機に、これまで35年間支えてくれた妻に居住用不動産の一部を贈与しようかと考えています。贈与税が発生すると聞きましたが、相続の場合も含めて教えてください。

【税理士】退職まで無事にお勤めできたのも、奥さまの内助の功と思われて贈与をお考えのようですね。

 婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2千万円まで控除(配偶者控除)できるという特例があります。

 この特例の適用を受けるには、①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと②配偶者から贈与された財産が、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭であること③贈与があった年の翌年3月15日までに、贈与を受けた不動産に現実に居住し、引き続き住む見込みであること─などの条件があり、贈与税の申告が必要です。同じ配偶者からの贈与での配偶者控除は、一生に一度しか適用を受けることができません。

 なお、贈与税がかからない場合でも、不動産の名義変更に伴い登録免許税(国税)や不動産取得税(県税)を支払う必要があります。

 次に、相続の場合ですが、配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が1億6千万円までか、配偶者の法定相続分相当額までであれば、相続税はかかりません。

 贈与税と相続税、それぞれの節税効果をよく検討することをお勧めします。詳しくは、お近くの税理士にご相談ください。

(南九州税理士会熊本東支部 中野正)

※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。

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