生前贈与加算(令和3年12月23日掲載) | |
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公開日:2021-12-23
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【問い】このほど父から、私と妹にそれぞれ現金250万円の贈与がありました。私と妹は贈与税の申告をすることになりますが、仮に来年以降父が死亡した場合の相続税の申告では、この贈与はどのような取り扱いになりますか。 【税理士】自分の財産を生前に子や孫などに無償で渡すことを「生前贈与」といいます。生前贈与は、存命中に財産の一部を減らすことで将来の相続税の負担を軽くできますので、相続税対策として利用される方もいます。 このため、相続開始前3年以内(死亡日からさかのぽって3年前の日から死亡日まで)の贈与財産については、相続財産に追加して相続税の計算をすることになっています。この贈与加算の対象になるのは、相続や遺言で財産を取得した方です。相続で財産を取得しない方は贈与加算の対象にはなりませんから、贈与を受けた年分の贈与税の申告と納税で終わることになります。 お尋ねの場合は、年内に受けた贈与財産全額について、翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告と納税をします。その後、親が亡くなり財産を相続により取得した場合には、相続開始前3年以内の贈与財産を加算した額を相続財産として相続税の計算をします。贈与税の基礎控除額110万円以下の額についても加算の対象ですから、注意が必要です。 なお、贈与税の申告で(相続時精算課税の選択をしている方や配偶者控除の特例、住宅取得資金非課税の適用を受ける場合などは取り扱いが異なります。詳しくは、お近くの税理士にお尋ねください。
(南九州税理士会熊本東支部 枦木孝一)
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※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。
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