不妊治療の医療費控除(令和元年12月26日掲載) | |
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公開日:2019-12-25
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【問い】私はサラリーマンで現在、妻とともに不妊治療を受けています。費用がかなり高額なのですが、医療費控除の対象になりますか。
【税理士】不妊治療にかかる費用は医療費控除の対象です。所得税の確定申告をすることで所得税の還付が受けられるほか、翌年の住民税も軽減されます。適用対象は、人工授精や体外受精の費用、採卵消耗品、薬代などです。
【問い】これまで会社の年末調整だけで済ませていましたが、控除を受けるにはどんな手続きが必要ですか。
【税理士】「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告書に添付して税務署に提出してください。支払った医療費が10万円以上の時(所得の合計金額が200万円未満の人は医療費が総所得の5%を超えた場合)に控除が受けられます。領収書は添付する必要はありませんが、税務署から問い合わせがあった時のために。5年間は保存しておいてください。
申告は、費用が発生した年の翌年1月から5年間提出できます。
【問い】確定申告をすると、どれくらい還付がありますか。
【税理士】控除対象となる医療費から保険金や助成金などで補填(ほてん)される金額を差し引き、そこからさらに10万円を引いた額を基に還付額を計算します。例えば医療費の合計額が50万円の場合、保険などで補填されないのであれば、50万円から10万円を引いた40万円が基になります。
控除は住民税にも反映されるので、所得税率5%、住民税率10%の人の場合、所得税2万円、住民税4万円の計6万円が減税されます。
くわしくは、お近くの税理士にお尋ねください。
(南九州税理士会熊本西支部 橋本研)
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※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。
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