個人版事業承継(令和3年11月11日掲載) | |
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公開日:2021-11-11
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【問い】父と一緒にレストランを営んでいます。店舗が一等地にあるため、父が死んだ場合に相続税などが多額となり、店が続けられるか心配です。 【税理士】個人事業主の事業承継を後押しするため、2019(令和元)年度の税制改正で、事業用資産にかかる相続税や贈与税を猶予・免除する制度(個人版事業承継税制)が導入されました。青色申告事業者の後継者として経営承継円滑化法の認定を受けた人が、事業用店舗や土地など一定の資産の全てを28年12月31日までに贈与や相続、遺贈により取得した場合には、その資産に対する相続税、贈与税が猶予されます。先代事業者や後継者が死亡した場合は猶予税額が免除されます。 この制度の適用を受けるためには、24年3月31日までに「個人事業承継計画」を県に提出し、円滑化法の認定を受ける必要があります。さらに事業承継後、期限までに開業届出書を提出し青色申告の承認を受けるとともに、贈与税や相続税の申告期限までに、制度の適用を受ける旨を記載した申告書を税務署に提出しなければなりません。その際、一定の担保が必要です。 この手続きによって、申告後も継続して特定の資産を事業用として保有すれば納税猶予が継続されます。先代事業者が死亡した場合などには、「免除申請書」を提出することで猶予されている相続税等は全て免除となります。 なお、免除される前に資産を事業用として保有しなくなった場合は、猶予分の相続税等の全部または一部を利子税と合わせて納付する必要があります。 詳しくは、お近くの税理士にお尋ねください。
(南九州税理士会熊本東支部 亀井勝則)
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※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。
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