連続した相続(令和3年8月12日掲載) | |
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公開日:2021-08-16
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【問い】貸家を営んでいた私の祖母は3年ほど前に死去しました。祖母の財産はすべて私の父が相続し、相続税の申告と納税は終わっています。今年、父が亡くなりました。相続人は私たち子ども3人です。3年という短い間に相続が2回ありましたが、今回の父の相続税申告で何か特例がありますか。 【税理士】短い間に続けて相続が発生すると、相続税が多額になり負担が大きくなります。また、同じ財産に対して連続して相続税が課税されることになります。このような場合に、相続税の負担を軽減する「相次相続控除」という特例が設けられています。この特例の控除額は、前回の相続税額のうち1年に10%の割合で減額した後の額を今回の相続税から差し引く制度で、前回の相続から今回の相続までの期間が短いほど控除額が多くなります。 この特例は、①前回の相続から今回の相続までの期間か10年以内であること②亡くなられた方が前回の相続で相続財産を取得し、相続税を納めていること③特例の適用を受ける方は亡くなられた方の相続人であることーが要件となっています。相続人であることが要件の一つになっていますから、相続を放棄した方や相続権を失った方は、遺贈で財産をもらっていてもこの特例の控除を受けることはできません。 相続税の申告は亡くなられてから10カ月以内となっています。申告には不動産や株式などの評価をはじめ、いろいろな資料の準備が必要になります。詳しいことはお早めにお近くの税理士にご相談ください。
(南九州税理士会熊本東支部 枦木孝一)
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※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。
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