個人事業主の死亡(令和2年3月27日掲載) | |
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公開日:2020-03-27
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【問い】個人で建設業を営んでいた父が昨年末に死亡し、子どもの私が事業を引き継ぐことになりました。税務上の手続きについて教えてください。
【税理士】個人事業主が亡くなった場合は、廃業するケースだけでなく引き継ぐケースでも廃業手続きが必要です。
廃業手続きは、所得税では「個人事業の開業・廃業等届出書」に廃業する内容を記入し、故人が申告していた税務署へ提出します。
事業を引き継ぐ場合は、相続する人が改めて同じく「個人事業の開業・廃業等届出書」に開業する内容を記入し、相続人の住所などを管轄する税務署へ提出します。
消費税の課税事業者の場合には、速やかに「個人事業者の死亡届出書」を提出します。また、申告が必要な所得税や消費税があれば、亡くなってから4ヵ月以内に相続人が代わりに申告をしなければなりません。これを「準確定申告」といいます。
ところで、故人が所得税の青色申告や消費税の課税事業者、簡易課税制度などについて申請や届け出をしていたとしても、その効力は相続人には引き継がれません。
したがって、事業を引き継いだ相続人がこれらの適用を受ける場合には、改めて申請や届け出をする必要があります。
さらに、相続財産の金額によっては相続税の申告も必要な場合があります。申告期限は亡くなってから10ヵ月以内です。
故人が個人事業を営んでいて、相続人がその事業を引き継ぐ場合には、多くの手続きが必要となります。詳しくはお近くの税理士にお尋ねください。
(南九州税理士会熊本東支部 中野正)
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※掲載の【答え】については、
新聞掲載日現在の法令に基づいています。
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